帰らない理由
社会人になって実家を出て、4年目になる
日帰りでは何度か帰ったけど片手で数えるくらいで、泊まりは一度もない
帰省して家族で仲良く過ごしている話を聞くとどうしようもない気持ちになる
なんで帰らないの?と聞かれると言葉に詰まる
明確に家を出たいと思ったのは高校生の時だったと思う
大学進学時の一人暮らしは却下され、一人で生活費を稼ぐことは難しいだろうからしょうがないなと諦めた
社会人になったら絶対に家を出るということを心の支えにしていた
実家にいて落ち着く場所はなかった
自室は母が勝手に入ってくるし、風呂やトイレにこもっても長いと催促される
常に足音を気にしていた
今の足音を気にしない生活は本当に快適だ
鍵をもらえない生活も辛かった
小学生の頃に鍵を無くしたことがあり、それからずっとだ
なぜ小学生の時の罪をその後10年に渡って背負い続けなければいけないのだろう
抗議をしたことはあるけどもちろん却下された
鍵がないためバイトや遊びの終わり時間を申告していないと家にも帰れない
入れてもらえずマンションのエントランスで生活したこともある(よくない)
門限に厳しいというと過保護だねと言われていたけど、過ぎたら入れない方が危険だしおそらく過保護とは違ったんだろう
気に入らないことがあると携帯を没収された
携帯代を自分で払わない私にも問題があったかもしれないけど、対話ではなく経済的制裁に出ることにいつも納得いかなかった
実家で食事をとっていた頃は食事も抜かれた
父は基本的には傍観者だったけど、急にブチ切れたときだけ大声を出すこともあった
まれに暴力もあったから今でも男の人の大きな声が怖い
母の日も父の日も、誕生日も何もしない
たまにとんでもない親不孝なんじゃないか、昔はどうあれ大人の礼儀として何かするべきだ、とも思うけど何もできない
友達には親孝行しないとだめだよと言われることもある
親孝行したいような人の元に生まれたかった